豊臣秀吉の墓・阿弥陀ヶ峰

概要

豊国神社の祭神は、豊臣秀吉で、その墓(豊国廟)があるのは、阿弥陀ヶ峰である。
阿弥陀ヶ峰は、東山三十六峰の一つで、古くは鳥辺山ともいった。標高196メートル。かつて山腹と山麓に阿弥陀堂があったことが名の由来といい、行基創建の伝承がある。

京より山階(現 山科)に向かう際の出入り口と認識されていたようで、戦の重要拠点とされた。

慶長4年(1599)、山頂に豊臣秀吉を祀る豊国廟が建立され、西麓には壮大な社殿が造営されたため一時は豊国山と呼ばれたという。

関連メモ

東山三十六峰

東山は、京都盆地の東側にある山々の総称で、東山三十六峰は、南北12kmにおよぶ36の山々の総称である。洛中から見て山頂が確認できない山は含まれない。北は比叡山から南は稲荷山までとされる。

東山の山麓には多くの神社や寺院があり、山麓は平安時代には皇族や貴族、武士の保養地だった。現在は、これらの社寺や庭園からの東山の借景が観光の人気となっている。

鴨川からの東山の景観を好んだ頼山陽は、自らを「三十六峰外史」と号し、自らの書斎を山紫水明処と称した。

三十六峰は諸説あって確定しがたいが、広義にみると北から、比叡山(主峰大比叡ヶ岳は標高八四八・三メートル)御生みあれ山(御蔭みかげ山・御形みかた山・二葉ふたば山・高野たかの山とも。標高約二〇〇メートル。御蔭神社が鎮座)・せき(赤山禅院が鎮座)修学院しゆがくいん(離宮の山とも。修学院離宮が所在。近くに林丘寺・曼殊院がある)山・一乗寺いちじようじ(北山別院・金福寺・詩仙堂・狸谷不動などが所在)ちや(近くに北白川廃寺跡が所在。また三代茶屋四郎次郎が営んだ山荘跡地と伝える)瓜生うりゆう(標高約二九四メートル。瓜生山城跡がある)北白川きたしらかわ(丸山・勝軍山とも。勝軍地蔵が所在)月待つきまち(近くに慈照寺が所在)・如意ヶ嶽(一支峰に大文字山があり、八月一六日の送り火で著名。足利義輝の築いた城跡がある。標高約四六六メートル)吉田よしだ(吉田神社・宗忠神社が所在)紫雲しうん(黒谷とも。金戒光明寺・真如堂が所在)善気ぜんき(麓に法然院・霊鑑寺が所在)椿ヶ峰つばきがみね(標高約三五〇メートル。麓に大豊神社が鎮座)若王子にやくおうじ(若王子神社が鎮座。麓に禅林寺が所在)南禅寺なんぜんじ(麓に南禅寺が所在)大日だいにち(観勝寺跡がある)神明しんめい(日向大神宮が鎮座)粟田あわた(麓に粟田神社が鎮座)華頂かちよう(知恩院が所在)まる(八坂神社・安養寺が所在)長楽寺ちようらくじ(標高約二三〇メートルの独立峰。山上に将軍塚があり、山麓に長楽寺が所在)双林寺そうりんじ(山麓に双林寺が所在)東大谷ひがしおおたに(東大谷本廟が所在)高台寺こうだいじ(高台寺が所在)霊山りようぜん(霊山正法寺が所在)鳥辺とりべ(西大谷本廟が所在)清水きよみず(音羽山とも。清水寺・地主神社が所在)清閑寺せいかんじ(歌の中山とも。清閑寺・六条天皇陵・高倉天皇陵が所在)阿弥陀ヶ峰あみだがみね(標高約一九三メートル。山上に豊国廟があり、麓に新日吉神宮・妙法院・智積院が所在)今熊野いまくまの(麓に新熊野神社が鎮座)せん(泉涌寺・月輪陵・後月輪陵が所在)恵日えにち(恵日山東福寺が所在)光明峰こうみようみね(光明峯寺跡がある)・稲荷山(標高約二三二メートル。稲荷大社が鎮座)である。

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